代表講師 中井庸友(映画監督・演出家・クリエイター)

18歳で監督デビュー。その後映画監督林海象氏と出会い、永瀬正敏主演映画「私立探偵濱マイクシリーズ」3部作の制作に携わる。現在は映画を中心に CM、PV、舞台演出を幅広く活躍。長編映画デビュー作となる「ハブと拳骨」が日本人監督唯一2007年東京国際映画祭コンペティション部門のノミネート作品となり注目を集める。
2009年には2作目の長編映画「カフーを待ちわびて」が公開。
舞台では2010年に「ら抜きの殺意」2011年「兄帰る」2012年に「ハイライフ」「ぬけがら」を演出、何れも好評を博す。
 

研修生の皆様へ

俳優になるには?
個性を伸ばす?表現力を磨く?芸能プロに入る?と良く聞きますが、では自分の個性とは?表現力?簡単に答えられない事でしょう。
一言で言うと己れの哲学を知る事です。
皆さんは哲学という言葉だけで難しく捉えてしまうかもしれませんが、哲学とはとてもシンプルなものです。辞書ではこのように書かれています。

①世界や人間についての知恵・原理を探究する学問。

②自分自身の経験などから得られた基本的な考え。人生観。

 

②で書かれているように自分がどんな人間であるかに気付かなければいけません。
僕が研修生に最初にする質問は簡単です。

「あなたの好きを100コ言ってください!」

 

この質問は頑張れば小学生でも答えられるでしょう。
その次にその100コの何故?に自分の答えを持ってください。
この質問から、今迄に使わなかった脳と心がフル回転し、自身の過去から現在までの記憶の旅が始まります。そこには傷みも喜びもあります。
例えば、好きな色は赤です。赤はただの記号に過ぎません。

どんな赤なのか?
子供の頃に良く遊んだ遊具の錆び、初めて膝を擦りむいた鮮血、母と買い物の帰り道に見た夕焼け…人間の心は自らが一人頑張って出来たものではないのです。過去からのひとつひとつの小さな感情の受動と能動で形成されているのです。自らの人間性を一面だけで捉えてはいけません。世の中の概念に縛られて空気ばかり読み、人格はひとつでなければいけないという流れではあなたの実存を失ってしまいます。心や人格が一面であるはずはないのです。心ってどんな形ですか?と質問すると大体の人がほわっと手で立体的な形を示します。そうなんです、放射的なエネルギーなのです。立体にすると多面体。
人格は多面体でいいのです。親に対しての自分、友人に対しての自分、上司に対しての自分。全てが自分です。 そんな自分を客観視して卑しいなとか嘘付きだなと思う時もあるでしょう。それを自ら認め許し、補うのです。
自らを知り許し補うことを理解してから、相手を想像し相手との会話や議論、討論、若しくは心の摩擦、肉体の摩擦などに対応出来る心が出来るでしょう。
自分をカウンセリング出来る心が育てば、それは他人を惹き付ける魅力にも変わります。世間ではそういった人間をカリスマと呼ぶのでしょう。

長くなりましたが、我々の団体はただ演ずる技を会得する為に活動しているのではないのです。見ず知らずの観客の琴線に触れる為に必要な、魅力ある心と肉体を持った表現者を、羽ばたかせる事を目標にしています。

ぜひ、一緒に触れ合い、刺激し合い、表現を楽しみましょう。新しい才能と出会える事を楽しみにしています。

代表講師 中井庸友
  

 

■映像作品

1993年~ 100本以上のMUSIC VIDEOを監督(真心ブラザーズ、Bonnie Pink、19、小柳ゆき、織田裕二、CHAR、島谷ひとみ、THE MODS、Hi-Fi CAMPなど)
2002年 北海道文化放送30周年記念ドラマ 「ノースポイント ポートタウン」(主演 宮崎あおい)監督
2003年 短編 吉井怜「濡れる大地」脚本・監督
2004年 短編「G Animation 葉祥明 Line」脚本・監督
2007年 WEBドラマ「探偵事務所5」1~4話 監督
2008年 映画「ハブと拳骨」監督 (出演 尚玄、虎牙光輝、宮崎あおい、石田えり 他)
     ★2007年度・東京国際映画祭コンペティション部門 ノミネート作品
     ★2008年度・ゆうばり映画祭フォーラム部門 招待作品
2009年 映画「カフーを待ちわびて」監督 (出演 玉山鉄二、マイコ、宮川大輔、白石美帆 他)
     ★第一回日本ラブストーリー大賞受賞作
2013年 円谷プロ×WOWOW共同プロジェクト「ネオ・ウルトラQ」5話、10話、12話 監督
2014年 テレビ東京ドラマ「SAVEPOINT」(主演 高城亜樹)監督

 

■舞台演出

2010 年「ら抜きの殺意」
2011 年「兄帰る」
2012 年「ハイライフ」「ぬけがら」
2013 年「海と日傘」「明日は天気になる」
2014 年「パパのデモクラシー」
2015 年「プルーフ/ 証明」「−初恋」「紙風船」「命を弄ぶ男ふたり」
2016 年「オールドセイブルック」「セントラルパークウエスト」「煙が目にしみる」